なぜアーティストは貧困という茨の道を歩まなければならないのでしょうか? アートにかかわる世界中のすべての人がこの難問を抱えながら生きています。 この苦境はアートにかかわるリスクを冒した者のみが痛感する事実ですが、その苦境が構造的な難問であることはアートの部内者にもアートの部外者にもけっして知られることのなかった隠蔽された事実でもありました。 本書はこの構造的難問を経済学と社会学の方法によって解明した芸術経済学の金字塔、アーティスツ・サバイバルのバイブルともいわれる名著の全訳です。 本書はアーティストとして生きていこうとする人々、 アートを心の支えとして生きていこうとする人々、 アートを支援していこうとする人々、 アートが世界からなくなることなど想像できない人々をはじめ、 芸術経済学、芸術経営学、芸術社会学、芸術政策学、芸術管理学を志す人々、 アート・インスティトゥート・マネージャーを志す人々、 アート・ディーラーを志す人々、 アート・ジャーナリストを志す人々、 さらには アートには一生縁がないと思っている人々などなど 私たちとともに生きるすべての人々に捧げられています。 (コメント:山本和弘より) |
“Why are Artists Poor? - The Exceptional Economy of the Arts” ハンス・アビング著 山本和弘訳、グラムブックス、 2007年刊 (邦題『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』) |
山本和弘(栃木県立美術館、学芸員『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』翻訳者) 岩渕潤子(慶応義塾大学教授/デジタルメディアコンテンツ総合研究機構) 吉本光宏(ニッセイ基礎研究所) 司会:上田雄三(ギャラリーQ) |
山本和弘(やまもと かずひろ) ハンス・アビング著『なぜアーティストは貧乏なのか−芸術という例外的経済』 (2002年)の紹介・翻訳者(訳書は2007年グラムブックスより刊行) 現在、栃木県立美術館シニア・キュレーター、美術評論家連盟(aica)会員、 東京藝術大学および東北芸術工科大学非常勤講師。 主な著書に『現代美術辞典』(共著:美術出版社、1993年)、 『現代アート入門』(共著:平凡社、1998年)。主な訳書にハイナー シュタッヘルハウス著『評伝ヨーゼフ・ボイス』(美術出版社、1994年) がある。 |
岩渕潤子 (いわぶち じゅんこ) 美術館運営・管理研究者 慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構・教授 カリフォルニア美術工芸大学卒業。同大大学院修了。 ニューヨーク、ホイットニー美術館に在籍後、フィレンツェ、ロンドンで 研究活動を続ける。同時期執筆・出版を開始し、「ニューヨーク午前0時 美術館は眠らない」、「美術館の誕生」、「美術館で愛を語る」ほか 著作多数。ここ数年は美術館・博物館の評価に多く携わっている。 |
吉本光宏 (よしもと みつひろ) ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長 東京オペラシティや世田谷パブリックシアターなど文化施設開発、東京 国際フォーラムのアート計画などのコンサルタントとして活躍するとと もに、文化政策やアートマネジメント分野の幅広い調査研究に取り組む。 東京藝術大学大学院非常勤講師、 主な著書に「アート戦略都市(監修)」など。 |
司会: 上田雄三 (うえだ ゆうぞう) ギャラリーQ、企業とアート及び国際展を多く手掛ける。 2005「Global Players-日本におけるドイツ2005/2006」 BankART1929、東京、札幌 2006「Global Players-日本におけるドイツ2005/2006」 Ludwig Forum Aachen、ドイツ 「The Art of Passart-Ism」フォルクスワーゲン、丸の内ビル、東京 「第6回上海ビエンナーレ 祐成政徳」CITIC SQUARE、上海、中国 「第2回建築ビエンナーレ 伊丹潤 」中国国立美術館、北京、中国 「Smells & Sound-the invisible in public space 」谷中、東京 2007「Blossom Art 2007」東京ミッドタウン プラザ1F 三井不動産株式会社、東京 「グッドウィル・アート・コレクション」東京ミッドタウン30F グッドウィル・グループ株式会社、東京 「悲しみのキャンバスー石田徹也展」静岡県立美術館、静岡 |